概要
Zebra SimulScan アプリでは、バーコード、画像、テキスト、署名、電話番号などのデータを 1 回のパスでスキャン ターゲットから同時にキャプチャできます。SimulScan 入力オプションにより、この機能が DataWedge に追加されます。指定した SimulScan テンプレートに従ってフォームデータをキャプチャすると、プロセス プラグインを使用して、必要に応じてデータを処理または形式化できます。詳細については、SimulScan のユーザー ガイドを参照してください。
この機能は、SimulScan をサポートしているデバイスでのみ使用できます。
SimulScan 入力オプション
SimulScan 標準テンプレート (一部のみ表示)
ハードウェア トリガ - SimulScan 入力でのデバイス ハードウェア トリガの使用を有効/無効にします。ハードウェア トリガは、デフォルトで有効になっています。無効にすると、ハードウェア トリガを押してもビュー ファインダは表示されません。ただし、ソフト スキャン トリガ DataWedge API インテントを使用してアクティブにすることはできます。この機能により、アプリケーション プログラマは、アプリ内でバーコードやドキュメントをスキャンするときに、アプリ固有の機能を強制的に使用させることができます。
デバイスの選択 - デバイスのカメラか、システムで設定されたデフォルトのスキャン デバイス (推奨) を選択できます。
テンプレートの選択 - 構成するプロファイルの SimulScan テンプレートを設定します。DataWedge に付属するテンプレートは、以下のとおりです。
- Default - BankCheck.xml - 小切手の機械可読領域 (MRZ) から口座番号と銀行コードをキャプチャします。
- Default - Barcode1.xml - 任意のシンボル体系の 1 個のバーコードをデコードします。
- Default - Barcode10.xml - 同じまたは異なるシンボル体系の 10 個のバーコードをデコードします。
- Default - Barcode2.xml - 同じまたは異なるシンボル体系の 2 個のバーコードをデコードします。
- Default - Barcode4.xml - 同じまたは異なるシンボル体系の 4 個のバーコードをデコードします。何も選択されていない場合、これがデフォルトのテンプレートです。
- Default - Barcode5.xml - 同じまたは異なるシンボル体系の 5 個のバーコードをデコードします。
- Default - BookNumber.xml - 10 桁または 13 桁の ISBN コードをデコードします。
- Default - DocCap+Optional-Barcode.xml - フォームを画像としてキャプチャし、バーコードがある場合は、それを必要に応じてデコードします。
- Default - DocCap+Required-Barcode.xml - フォームをキャプチャし、使用可能なバーコードをデコードします。
- Default - TravelDoc.xml - パスポートなどの渡航文書の機械可読領域 (MRZ) から情報をキャプチャします。
- Default - Unstructured Multi-Line.xml - OCR で複数行の英数字テキストを取得します。
- Default - Unstructured Single Line.xml - OCR で 1 行の英数字テキストを取得します。
SimulScan に付属するすべてのテンプレートの名前には、先頭に「Default」という単語とハイフンが付いています。
上記のリストにカスタム テンプレートを追加するには、テンプレート XML ファイルを /enterprise/device/settings/datawedge/templates
ディレクトリにコピーします。
注: /enterprise
ディレクトリ内のファイルとフォルダは、Android ファイル ブラウザには表示されません。これらをファイル ブラウザで表示させるには、パスを手動で入力します。
Zebra パートナおよびその他の承認されたユーザーは、Zebra の SimulScan テンプレート ビルダを使用して、オンラインでカスタム テンプレートを作成できます。
動的テンプレート パラメータ - 動的テンプレートを使用する場合にパラメータを構成できます。これにより、それぞれに異なるテンプレートを必要とせずに、さまざまな使用方法に基づいて入力パラメータを柔軟に受け入れることができます。選択したテンプレートに動的テンプレート パラメータが含まれている場合は、パラメータを構成するように求めるプロンプトが表示されます。現在、フォーム上のデコードするバーコードの数 (1 ~ 99、デフォルト = 5) を設定する動的数量がサポートされています。動的テンプレートは、テンプレート ビルダを使用して作成します。
領域セパレータ - SimulScan テキスト領域データのセパレータ文字を構成するのに使用します (この後の注記を参照)。複数のテキスト領域が存在する場合は、領域セパレータが、取得フォームの各領域のデータ文字列の間に挿入されます。領域セパレータは、キーストローク出力のアクション キー文字の設定と併用して、SimulScan 領域データを個別のテキスト フィールドにディスパッチできます。
指定可能な値:
- なし (デフォルト)
- タブ
- ライン フィード
- キャリッジ リターン
ログ ディレクトリ – SimulScan ログをデバイスに保存するためのデフォルトのフォルダパス (/storage/emulated/0/simulscan/logs
) を変更するのに使用します。注: SimulScan ログ機能は、使用中の SimulScan テンプレートによって有効/無効にされ、DataWedge では制御されていません。
タイムスタンプ – 取得したデータとともにタイムスタンプ (yyyy-MM-dd HH:mm:ss
) を自動的に挿入する機能を有効/無効にします。
画像をファイルとして配信 - 有効にすると (デフォルトでは無効)、すべての画像ファイルがファイルとして配信されます。このオプションを有効にすることをお勧めします。これは、アプリケーションがインテントを介して画像などの大きなデータを取得しようとした場合に発生するおそれがある「TransactionTooLargeException」に対応します。この例外では、「[アプリケーション名] にブロードキャストを配信できません。クラッシュします。」というメッセージが出力されます。
SimulScan に関する注記
- SimulScan でキャプチャしたすべてのテキストは 1 つの文字列に連結され、その文字列に対して処理が実行されます。
- バーコード、OCR、OMR の各領域は、テキスト領域と見なされます。キーストローク出力や IP 出力を使用すると、テキスト領域データのみがフォアグラウンド アプリケーションまたはリモート サーバーにディスパッチされます。
- ピクチャ領域データ (画像) は、インテント出力を介してのみ取得されます。
- SimulScan でキャプチャしたテキストは 1 つの文字列に連結され、その文字列に対して処理が実行されます。
- プロファイルでバーコード入力が有効になっている場合、そのプロファイルで SimulScan を有効にすると、バーコード入力プラグインが無効になります。
SimulScan 関連データ
インテント バンドルに追加された SimulScan 関連データは、以下のインテント キーを使用して取得できます。
"com.symbol.datawedge.simulscan_template_name" - SimulScan でフォームをキャプチャするのに使用するテンプレートの名前を返します。
"com.symbol.datawedge.simulscan_region_data" - バンドルの配列を返します。各バンドルに領域とフォームに関するデータと情報が含まれます。このバンドルには、使用事例に基づいて以下のインテント キーが含まれている場合があります。
- "com.symbol.datawedge.simulscan_region_name" - 各領域のバンドル オブジェクトの領域名を返します。領域名を取得するには、
Bundle.getString()
を呼び出します。 - "com.symbol.datawedge.simulscan_region_id" - 各領域のバンドル オブジェクトの領域 ID を返します。領域 ID は整数であり、
Bundle.getInt()
を呼び出して取得します。 - "com.symbol.datawedge.simulscan_region_string_data" - 領域の文字列データを返します。文字列データは、バーコード、OCR、OMR の各データとともに返されます。
- "com.symbol.datawedge.simulscan_region_binary_data" - 領域のデータをバイト配列の形式で返します。バイナリ データは、ピクチャ領域とフォーム画像で返されます。ピクチャ データとフォーム データの両方がビットマップにロードされ、アプリケーションに表示されます。
- "com.symbol.datawedge.simulscan_data_file_paths" - simulscan_region_type が「Picture」の場合、画像のファイル パスを返します。[画像をファイルとして配信] オプションが有効になっている場合、画像データを取得するには、simulscan_data_file_paths キーを使用する必要があります。
- "com.symbol.datawedge.simulscan_region_type" - 各領域のバンドル オブジェクトの領域タイプを返します。領域タイプは文字列であり、
Bundle.getString()
を呼び出して取得します。領域タイプの戻り値は、以下のとおりです。 - Barcode - 領域はバーコード。
- OCR - 領域は、光学文字認識 (OCR) 領域 (名前、住所など)。
- OMR - 領域は、光学マーク認識 (OMR) 領域 (チェックボックス、ラジオ ボタンなど)。
- Picture - 領域は、ピクチャ。データは JPEG 形式。
- Form - バンドルに、キャプチャしたフォームのピクチャが含まれることを指定するフォーム タイプフォーム イメージは JPEG 形式。
- "com.symbol.datawedge.simulscan_region_name" - 各領域のバンドル オブジェクトの領域名を返します。領域名を取得するには、
重要: 一部のスキャン アプリケーションでは、デコードされたデータを現在のアクティビティに直接送信し、表示しないことが望ましい場合があります。このような場合、アクティビティは、その AndroidManifest.xml ファイルで「singleTop」として指定する必要があります。この方法でアクティビティを指定しないと、デコードのたびにアクティビティのインスタンスが起動され、新たに生成された各コピーにデータが送信されます。
Android インテントの詳細については、Android デベロッパ向けサイトを参照してください。
構成
プログラムによる SimulScan の構成および構成の取得については、以下を参照してください。
関連ガイド: