ご使用の前に

DataWedge 11.0

概要

DataWedge を使用すると、Zebra デバイス上の任意のアプリケーションで、バーコード、MSR、RFID、およびその他の入力ソースからデータをキャプチャし、そのデータを処理して、インテントからまたはネットワーク接続経由で、キーストロークとして出力できます。DataWedge のアクションと設定は、UI の DataWedge プロファイルを使用して制御する (別名「ゼロ コード」アプローチ) ことも、プログラムで制御することもできます。アプリケーション画面がフォアグラウンドに表示されている場合は、アプリまたはアクティビティが関連付けられているプロファイルが自動的に検出され、そのプロファイルからの構成が適用されます。データをキャプチャするには、次の 2 つの方法があります。

  • ノーコード - コーディングは不要です。DataWedge UI を使用してプロファイルを作成し、スキャン動作を制御します。アプリ/アクティビティがプロファイルに関連付けられ、出力がキーストロークに設定されると、アプリ内の編集可能なテキスト フィールドにデータをキャプチャできます。オプションを使用して、データのキャプチャ (入力) 方法および処理方法を定義できます。デフォルト プロファイル Profile0 では、任意のアプリケーションのテキスト フィールドへのデータ キャプチャが有効になります。
  • アプリケーション開発 - 次のいずれかのアプローチに基づいて、データ キャプチャ アプリを開発します。
    • 最小限のコード - スキャン アクティビティやデータ処理を細かく制御することなく、ブロードキャスト レシーバを使用して Android の汎用インテントからデータを取得する基本的な方式。「基本インテントのサンプル アプリ」を参照してください。
    • DataWedge API - インテントを使用して DataWedge の設定を制御し、基盤となるハードウェアに関係なく、データのキャプチャ、処理、アプリへの配信方法を指定します。

DataWedge API は、Zebra の EMDK よりも優先的に使用されることがよくあります。EMDK アプリの開発には、スキャン API に関する完全な知識が必要です。EMDK アプリの設計とコーディングは、その難易度が高いため、時間がかかることがあります。DataWedge は、インタフェースの簡素化、API の使いやすさの向上、および柔軟性を実現します。DataWedge データは、基盤となるアプリケーション技術 (Java、Xamarin、Cordova など) に関係なく、任意のアプリケーションから取得できます。DataWedge と EMDK は、機能が似ており、データ キャプチャを制御します。詳細については、DataWedge 対 EMDK の比較表を参照してください。

重要: バーコード スキャン ハードウェアの制御は排他的です。DataWedge がアクティブのときは、EMDK アプリなどのアプリで使用されるスキャナ API とバーコード API は動作しなくなります。同様に、アプリでスキャン ハードウェアを制御するときは、他のアプリ (DataWedge を含む) はロックアウトされます。したがって、デバイスのスキャナ ハードウェアを制御する方法と、必要に応じてスキャンが完了したときに制御を他のアプリに解放する方法を理解することは重要です。詳細については、「DataWedge の無効化」のセクションを参照してください。


主な機能

DataWedge は、次の主な機能とオプションを備えています (機能を使用できるかどうかはバージョンによって異なることがあります。「バージョン履歴」を参照してください)。

データ キャプチャ

データ処理

展開

: DataWedge 機能の可用性と操作は、デバイスおよびオペレーティング システムによって異なります (これらによりデバイスにインストールされる DataWedge のバージョンが決まります)。


DataWedge の機能

プロファイルとプラグイン は、DataWedge のほとんどの機能の基本です。プロファイルには、特定のアプリケーションにスキャン サービスを提供するときの DataWedge の動作に関するすべての情報が含まれます。その情報の多くはプラグインから得られ、これによりデータの入力、処理、出力の方法が決定されます。

各プロファイルには通常、次の 4 つの要素が含まれます。

  • 入力プラグイン - データの取得方法を決定します (バーコード スキャナなど)
  • 処理プラグイン - 取得したデータの操作方法を指定します
  • 出力プラグイン - アプリケーションへのデータ渡しを制御します
  • 関連付けられたアプリケーション - (またはアクティビティ) これにより DataWedge のアクションがリンクされます

DataWedge を使用する各アプリは、DataWedge プロファイルに関連付けられます。このプロファイルには、データの取得方法 (入力)、処理方法 (データ形式)、および受信アプリへの配信方法 (出力) を決定するオプションが含まれます。これらのオプションは、プラグイン (バーコード入力プラグインなど) と呼ばれます。DataWedge では、フォアグラウンド アプリケーションが継続的に監視されます。フォアグラウンド アプリへの変更が検出されると、そのアプリに関連付けられた適切なプロファイル (存在する場合) がアクティブになります。アプリがどのプロファイルにも関連付けられていない場合は、デフォルトの汎用プロファイル Profile0 が有効になります。プロファイルはエクスポートできるため、複数のデバイスに同じ DataWedge の構成を展開できます。

たとえば、「アプリ A」では、DataWedge から各データセットが渡された後で、TAB を送信することが求められ、「アプリ B」では、代わりに ENTER キーを押すことが求められる場合があります。プロファイルを使用すると、任意の数の個別アプリケーションの要件に従って、同一のキャプチャ データセットを処理するように DataWedge を構成できます。また、1 つのプロファイルを作成して多くのアプリケーションに関連付けることもでき、すべてのアプリケーションに同じ方法でデータを取得して処理することもできます。

DataWedge プラグインは、プロファイルで指定され、データのキャプチャ (入力) 方法、処理 (形式化) 方法、およびアプリへの配信 (出力) 方法を定めます。さらに、オプションのプロファイル固有の構成設定は、ユーティリティとして分類され、そのユーティリティをアプリに関連付けたり、実行時に制御したりできます。

  • 入力プラグイン - データのキャプチャ方法を指定します。

    • バーコード - 処理するデータを送信する前に、キャプチャしたデータに適用されるデバイス スキャン ハードウェア、デコーダ、デコーダ パラメータ、リーダー パラメータ、およびスキャン パラメータを指定します。サポート対象のハードウェアには、統合内蔵デバイス (1D スキャナ、2D スキャナ、カメラなど)、または外部接続デバイス (バーコード スキャナ、Bluetooth スキャナ、および USB SSI スキャナなど) を含めることができます。
    • MSR (磁気ストライプ リーダー) - サポート対象のハードウェア上で、クレジット カードやデビット カードなどの MSR カードからデータを取得します。
    • RFID (無線周波数識別) - 一部の Zebra モバイル コンピュータに内蔵されている統合 RFID リーダーを使用して、RFID タグからデータを取得します。
    • シリアル ポート - シリアル ポート経由で接続された周辺デバイスからデータを取得します。
    • 音声 - 音声認識を介してデータを取得します。構成には、開始/終了フレーズの定義、TAB/ENTER コマンドの送信、英数字へのデータの制限、音声データの検証、オフライン動作などがあります。
  • 処理プラグイン - キャプチャしたデータを出力プラグインに渡す前に形式化する方法を指定します。

    • 基本データ形式 (BDF) - 出力プラグインにデータを渡す前に、基本的な事前定義オプションを使用してデータを形式化します。使用可能なオプション: データ プリフィックスの追加、データ サフィックスの追加、フォアグラウンド アプリへのデータ送信、16 進形式でのデータ送信、TAB キーの追加、ENTER キーの追加。これは、データをスキャンし、TAB キーを追加することにより、次のテキスト フィールドに自動的に移動するときに便利です。
    • 高度なデータ形式 (ADF) - 出力プラグインにデータを渡す前に、特定の条件を持つカスタム ルールに基づいてデータを形式化します。これは、取得した 9 桁の Code-128 バーコードの中央の 3 桁が、ルールで指定した同一の 3 桁と一致する場合にのみ、データにゼロを埋め込むアクションをトリガするといった状況で役立ちます。
  • 出力プラグイン - データの配信方法を指定します。

    • キーストローク - 取得したデータは、関連付けられたアプリケーションに、編集可能なフィールドへの一連のキーストロークとして送信されます。コードを追加せずに、アプリにスキャン機能を追加する場合に使用できます。さらに、DataWedge Intent API を介しても全面的に構成可能です。
    • インテント - 取得したデータは、関連付けられたフォアグラウンド アプリ/アクティビティに、Android インテント メカニズムによってプログラムで送信されます。これは、ユーザーに編集を許可せずに、データをアプリ画面に送信するだけでよい場合に便利です。キャプチャしたデータを受信する DataWedge のインテントを登録します。
    • インターネット プロトコル (IP) - 取得したデータは、指定された IP アドレスとポートを介して、TCP または UDP によるネットワーク経由でホストに送信されます。これは、医療環境などで PC に対してデータをスキャンする場合に役立ちます。
  • ユーティリティ - 以下を使用するためのオプション ツール:

    • Data Capture Plus (DCP) - タップすると、デバイス画面の指定された領域が仮想スキャン トリガとして動作し、ハードウェア トリガ プレスをシミュレートできます。全画面モードで構成することも、画面の右側、左側、または両側にフローティング スキャン ボタンとして構成することもできます。

DataWedge 設定 - 非プロファイル関連の汎用 DataWedge オプションに対する構成を提供します。これには、無効なプロファイルの無視、無効アプリ リストの無視、プロファイルのインポート/エクスポート、レポートなどのアクションが含まれます。

自動インポート - DataWedge に事前構成されたプロファイル、または構成ファイルを自動的にロードする機能を提供します。これは、サードパーティのエンタープライズ モビリティ管理 (EMM) システムなどのツールを使用してデバイスをリモート展開する場合に使用できます。DataWedge では、プロファイルまたは構成ファイルの特定フォルダが監視されます。プロファイルまたは構成ファイルが見つかった場合は、そのファイルをインポートし、既存の構成またはプロファイルを置き換えます。

一括展開 - DataWedge プロファイルと設定は、手動または EMM (エンタープライズ モビリティ管理) ソフトウェアを使用して、複数のデバイスに展開できます。エクスポートされた構成ファイルまたはプロファイルは、/enterprise/device/settings/datawedge/autoimport ディレクトリに配置されると自動的にインポートされます。

プロファイルの作成とプロファイルへのアプリの関連付け - アプリをプロファイルに関連付けることにより、そのアプリが DataWedge を呼び出してデータを取得します。データ キャプチャの入力、処理、出力は、プロファイルを介して制御できます。


ベスト プラクティス

「ベスト プラクティス」を参照してください。


関連情報: