概要
デバイス診断ツール(DDT)の設定は、管理対象設定を使ってリモートから行えます。管理対象設定は、GoogleとAndroidのコミュニティが開発した仕様で、インストールされているアプリケーションを設定し、それらの設定をEMM(Enterprise Mobility Management)からデプロイするためのものです。EMMで使用するDDTの機能はスキーマで定義し、そのスキーマから必要な情報がEMMの対応するデータドリブン型UIに供給される仕組みです。このメカニズムによってDDTのリモート設定がEMM内に組み込まれるため、シームレスに運用でき、Zebraも新しい機能の完成と同時に新しいスキーマをリリースできます。DDTとZebraスキーマはGoogle Playストアから入手できます。DDTとその管理対象設定を活用して診断を実行するには、DDTとスキーマを一緒に使用する必要があります。
必要な条件
DDTで管理対象設定を使用するには、次のものが必要です。
- Android 10またはAndroid 11を搭載したZebraデバイス
- Google PlayストアからダウンロードしたDDTとZebraスキーマ
- DDTをZebraデバイスにインストールし、最低でも1回起動する必要があります。
- デバイスにデプロイするためのEMM
- DDTのテストデータをアップロードするためのFTPサーバー
推奨:ログイン資格情報が開示されてしまった場合のセキュリティリスクを最小限に抑えるために、テストデータは専用のサーバーにアップロードしてください。
管理対象設定の使い方
ここでは、EMMで管理対象設定を使用する一般的な方法を説明します。ユーザーインターフェイスのレイアウトは、使用するEMMによって異なります。EMMで、デバイスにインストールするアプリケーションのカタログにDDTを追加すると、対応するスキーマが自動的に取得され、データの定義時にEMMの管理対象設定画面に表示されます。管理者はそこで目的の管理対象設定を選択できます。これらの設定を受け入れるためには、管理対象設定をデバイスにプッシュする前に、DDTを最低1回起動する必要があります。次の手順では、OEMConfigを使ってリモートからDDTを起動する方法も説明します。
管理対象設定の一般的な使用方法は次のとおりです。
デバイス診断ツールをアプリケーションカタログに追加します。EMMで、Google PlayストアからDevice Diagnostic Tool 2.5以降を見つけ、アプリケーションカタログに追加します。これで、そのアプリケーションの対応するスキーマが自動的に取得され、EMMからデバイスにアプリケーションをデプロイできるようになります。
スキーマにある説明に従って、管理対象設定を使用するアプリケーションの制限を設定します。使用可能なオプションについては、後述の「アプリケーションの制限」を参照してください。
DDTアプリと作成された管理対象設定をデプロイするポリシーをデバイスにプッシュします。
OEMConfigを使ってリモートからDDTを起動します。この手順を行う前に、手順3でDDTをインストールしておく必要があります。
OEMConfigをまだインストールしていない場合は、デバイスにインストールします。
OEMConfigで、Device Administration Configuration(デバイスの管理設定)を開きます。
Action(アクション) > Submit XML(XMLの送信)の順に選択します。
Submit XML(XMLの送信)フィールドに次のテキストを入力してDDTを起動します。
<wap-provisioningdoc><characteristic type="Intent"><parm name="Action" value="StartActivity"/><parm name="ActionName" value="android.intent.action.MAIN"/><parm name="Package" value="com.symbol.selfdiagnostics"/><parm name="Class" value="com.symbol.selfdiagnostics.activities.MainActivity"/><characteristic type="Extra"><parm name="ExtraType" value="string"/><parm name="ExtraName" value="LAUNCH_DDT"/><parm name="ExtraValue" value="1"/></characteristic></characteristic></wap-provisioningdoc>
注:改行は削除してください。
OEMConfigの設定をデバイスに適用します。
アプリケーションの制限
DDTには、管理者モードとユーザーモードという2つの操作モードがあります。現時点では、管理対象設定を使って定期テストの実行スケジュールの設定やログのアップロードを設定できるのは、管理者モードのみです。
管理者モード
管理者モードでのDDTアプリケーションの制限は、次のとおりです。
- Test Plan(テストプラン) - スケジュール、アクティビティ、デリバリを設定したテストプランを作成、変更します。
- Test Log Retention(テストログの保持) - テストプランが自動的にサーバーにアップロードされた後に、そのプランをデバイスに残すか、破棄するかを選択します。
アプリケーションの制限オプション
ここでは、各アプリケーションの制限で使用可能なオプションを示します。
Test Plan(テストプラン)
[Test Plan](テストプラン)では、テストプランの作成、変更を行います。具体的には、週1回実行するテストのスケジュール設定、実行するテストの指定、テスト結果を受け取るサーバーの設定などです。
制限名 | オプション | 説明 | 値 |
---|---|---|---|
スケジュール | テストの実行日 | 毎週自動的にテストを実行する曜日 | • 月曜日 • 火曜日 • 水曜日 • 木曜日 • 金曜日 • 土曜日 • 日曜日 |
テストの実行時刻 | テストを実行し、結果のログファイルをアップロードする時刻 | [24時間制(HH:MM形式)] | |
アクティビティ | テストするシステム | デバイスでテストするシステム | • Bluetooth • Wi-Fi • バッテリー • WWAN • SDカード |
デリバリ | プロトコル | アップロードされるDDTファイルを受け取るサーバーが使用するプロトコル | FTP |
IPアドレス | DDTアップロードサーバーにアクセスするユーザーのIPアドレス | [有効なIPアドレス] | |
ユーザー名 | DDTアップロードサーバーにアクセスするユーザーの名前 | [有効なユーザー名] | |
パスワード | DDTアップロードサーバーにアクセスするためのパスワード | [有効なパスワード] |
Test Log Retention(テストログの保持)
[Test Log Retention](テストログの保持)では、指定したサーバーにテストプランファイルがアップロードされた後に、それらのファイルに対して行う処理を選択します。
制限名 | 説明 | 値 |
---|---|---|
Test Log Retention(テストログの保持) | テストプランファイルがサーバーにアップロードされた後に、そのファイルをデバイスに残すか、破棄するかを選択します。 | • アップロード後も残す • アップロード後に削除する |
関連トピック
- OEMConfig - アプリケーションをリモートから起動する場合